往復書簡④ 小一生活 初めての夏休み
プラットフォームデザインlab/原田愛・松本ゆい
目次
企画説明
4月から小学校に入学した子どもを持つふたりで、 これから月に一度、小1の生活の変化についてやり取りをしていきます。
同じ「小1の親」でも、感じていることや困っていることは少しずつ違います。 その違いや重なりを、そのまま言葉にしてみることで、 誰かのヒントや、少しほっとするきっかけになればと思っています。
今回は、「小1生活、初めての夏休み」というテーマで、 それぞれの現在地を手紙で共有します。
愛さんへ
9月に入りましたが、じめじめと暑い日が続きますね。
そしてついに!夏休みが終わりましたね!
小学校に入って初めての夏休み、そしてこの夏は「こえのば」があったので、私的には嵐のように慌ただしく過ぎた夏休みでした。
「こえのば」は、私達が初めて取り組んだ対面座談会イベントでしたが、『私達がやりたい座談会ってどんな形なんだろう』という問いに、私なりに答えが見えてきた、重要な機会となりました。
あと、楽しそうにはしゃぐ子ども達が視界に入る環境は最高ですね。うちの子ははしゃぎ過ぎて、私のところには一回も寄り付きませんでした。笑
さて、話題を夏休みの過ごし方に戻したいと思います。
我が家は私も夫もお盆や祝日がない職場で働いているので、夏休みといえど特に連休はありません。
息子は月〜金まで、朝8:00に放課後子供教室事業(※)に出発し、15時になったら帰ってきます。
普段の授業の時と家を出る時間も帰ってくる時間も変わらないので、生活リズムの乱れは心配ありませんでした。
息子からは、「友達みたいにもっと休みたい」と何度も言われ、申し訳ないな〜、とは思いつつ、如何せんどうすることもできないので、頑張って毎日出かけてもらいました。
なので私的には、平日と夏休みの差は、お弁当をつくるかどうか、くらいでした。
一人でお留守番ができるようになる、3〜4年生になってくるともっと親の苦労や心配事が増えるのかもしれませんね。
それにしても、私にとって放課後子供教室事業は本当に偉大で、この取り組みのおかげで我が家はまわっています。
医療費の全額助成もそうですが、私が子どもの頃にはなかった子ども支援が色々増えていて、かなり子育てしやすくなってきた印象です。
そういえば、私たちの子どもの頃との違いといえば、今住んでいるうちの地域では朝のラジオ体操がなく、夏休みのプール通いもありませんでした。
プールなんて、1学期に5回入っただけで終わってしまい、内容も水遊びみたいな簡単なものだったようです。昔は学校の授業で泳ぎを体得していましたが、今はそうではないんですね。
宿題も「これだけ?」という感じの少なさで、7月中には終わっていました。
ということで、愛さんは夏休みはどんな感じでしたか?

(※)放課後子供教室事業…小学校内の施設を利用した、自由で安全な遊び場。自治体がやっている事業で無料。審査などはなく、登録をすれば誰でも利用できる。夏休みも日・祝以外は8:00〜17:00までやっていいて、我が家にとってなくてはならない存在。
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ゆいさんへ
本当に、ついに夏休みが終わりましたね!
「こえのば」もあり、我が家もなんだか慌ただしく過ぎた夏休みでした。でも、初めての対面イベントを無事に終えられて、私もほっとしています。
子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿を見ながら、大人たちがゆっくり話せたのもよかったですよね。子どもと一緒にいながら、ずっと子どものことだけを気にしていなくてもいい。あの時間のつくり方は、私もこれからの「こえのわ」で大切にしていきたいなと思いました。
さて、我が家にとっても、初めての「小学生の夏休み」でした。
まず一番心配していたのは、早起きの継続です。学校がないと、あっという間に生活リズムが崩れてしまうのでは……と思っていたのですが、夏休み中、近所で朝のラジオ体操がほぼ毎日あったおかげで、朝6時起きを続けることができました。
娘と毎朝せっせと通って、なんと皆勤。最終日には記念品もいただいて、とてもうれしそうでした。同じ地域でも、ほかの学区では1週間くらいの短い開催が多く、夏休みを通して続けているところは珍しかったようです。毎朝ラジオ体操の場をつくってくださった町会の方々には、本当に感謝です。
宿題は、我が家も最初は「思ったより少ないかも?」と思っていたのですが、結局なんだかんだと最後の方までかかりました(笑)。
早めに終わらせられるものは7月中に、と進めていたつもりだったのですが、朝顔の観察は肝心の「実」がなかなかできなかったり。週に一度の日記もイベントに合わせていたらスケジュールがくずれたり。毎日少しずつ取り組むものもあったり。
親から見るとそれほど多くない宿題でも、子どもが自分で全体を見渡して、計画を立てて進めるのは、1年生にはまだまだ難しいんだなと実感しました。来年は、お盆くらいに一度、残っているものを親子で確認しようかな、なんて今から考えています。
そしてもうひとつ、初めての夏休みを経験して思ったのが、「夏休みって、親子で一緒につくるものなんだな」ということでした。
保育園の頃は、普段の生活の延長線上に、旅行や水遊びなど夏らしい出来事がぽつぽつ入ってくるような感覚でした。でも小学生になると、はっきりと「夏休み」という長い時間がある。
とはいえ、親の仕事や習い事などもあって、我が家も長期の旅行をするような余裕はなく、唯一の家族旅行は、祖父母、曽祖母も一緒に出かけた2泊3日の旅でした。
大人が多い旅行だったので、買い物などの予定が続くと、娘から「大人の予定に付き合ったから、公園行きたい!」と言われることもしばしば(笑)。
娘が楽しめるように、アスレチックに行ったり、気球に乗ったりもしたのですが、夏休みが終わってから聞いてみると「また旅行に行きたい。ハンバーグとスパゲッティがおいしかった。」と、出てくるのは食べ物の思い出ばかり。
親としては「せっかくの夏休みだから、何か特別な経験を」と考えてしまうけれど、子どもにとって何が思い出になるのかは、親が思っているようにはいかないものですね。
だからこそ、プールに行く、友達と遊ぶ、といった小さな予定も含めて、「今年の夏休みに何をしたい?」と子どもと一緒に考えていくことも大切なのかもしれないなと思いました。
平日は学童にもずいぶん助けられました。親が仕事のペースを大きく変えずに済むだけでなく、娘自身も朝起きて出かける生活を続けられたことが、夏休みのリズムを保つことにつながった気がします。
こうして振り返ると、子どもだけでなく、親にとっても「初めての夏休み」だったのかもしれません。
来年はもう少し上手に計画できるかな。
……と言いつつ、きっとまた8月の終わりに、朝顔と宿題を前に慌てているような気もします(笑)。
ゆいさんのお手紙を読んでいると、同じ小学1年生の夏休みでも、地域や家庭によって過ごし方がずいぶん違うんですね。
そして、我が家の「ハンバーグとスパゲッティ」の話を考えると、同じ夏休みを過ごしていても、親と子では心に残っていることも案外違うのかもしれません。
ゆいさんが振り返る夏休みと、息子さんが振り返る夏休み、それぞれどんな夏だったんでしょう?

