一問一答インタビュー
舞台芸術と子育てについて気になることを聞きました。
アンケート

演出助手Mさんの一問一答インタビュー

舞台芸術と子育てについて気になることを聞きました。

目次

企画説明

舞台芸術と子育ての両立について、俳優・スタッフ・様々な立場の方々に普段感じていることを一問一答でインタビューしました。
仕事や創作する現場の役割に限らず、家庭環境、サポートの環境など、さまざまな要素により、舞台芸術と子育てのあり方は変わってきます。

今まさに「舞台芸術と子育」に向き合っている方々が感じていること、そのリアルな声を集めて発信していきます。

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対象者の紹介

演出助手Mさん(女性)、子供二人

ご自身が仕事で育児ができないとき、育児を誰に頼っていますか

配偶者・パートナー、実母・実父、通っている保育園の土曜保育、駅近の一時保育等

配偶者・パートナーの仕事を教えてください

会社員

家族内におけるご自身が担っている『育児』の割合はどの程度ですか?

9割くらい

家族内におけるご自身が担っている『家事』の割合はどの程度ですか?

6割くらい

仕事の理由から、子どもを持つことに迷いや不安はありましたか?迷いや不安があったとお答えの方はその内容を教えてください

ありました。
仕事の性質上、拘束時間と拘束期間が長いので、両立はできないと思い、子どもを産んだら仕事を辞める覚悟でした。
子どもは欲しかったのですが、仕事か子どもかを選ぶ決断がなかなかできず、結婚してから子どもを持つまでにかなり時間がかかりました。

子どもを持つことで舞台芸術活動との関わり方、仕事量に変化はありましたか?変化がありましたらその内容を教えてください

ありました。
出産後にいただいた演出助手の依頼に対して、こちらが時間的、期間的にあまり関われないことをお伝えしたところ、向こうから依頼を取り下げられることが何度かありました。
出産後にした仕事は2件だけで、それ以降現場の仕事はなくなり、今は現場を離れ近所でアルバイトをしています。
子どもがいても自分の努力で現場を続けることはなんとか可能だったと思いますが、出産後に受けた2件の仕事は、あまりにも家族に迷惑をかけた上、現場も出産前のように100パーセントは関われないことから、年齢的にも性格的にも無理をするのがしんどく、「もう現場はいいか」と諦め、現場から離れました。

子育てと舞台芸術活動を両方する上で、困難を感じた経験はありますか?もしありましたら具体的に教えてください

子どもを産むと自分の為の時間が極端に減ります。
出産直後は無いに等しいです。
その中で移動時間を含む稽古時間の確保は困難を極め、夫と実家の助けなくしてはできませんでした。
稽古場に8ヶ月の息子を連れていったこともありますが、赤ちゃんとの移動がとにかく大変なことと、授乳時間には不在になったり、泣かせないようあやしたり、息子が稽古場の床しか居場所がなく、ハイハイした指をそのまましゃぶってるのが気になったり、稽古に集中できなかったです。
また、私が稽古場や旅公演に行くために夫や実母が仕事を休んだり早退しなくてはならず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
経済的理由からシッターは頼めず、夫も実母も理解した上で協力してくれていましたが、それでも罪悪感がぬぐえませでした。

子育てと舞台芸術活動の両立が困難だと感じた時、どんな情報がほしかったですか?

近所の保育施設の一時預かり情報がもっと欲しかったです。
自治体のHPでは民間のものまでは網羅していないので、自分で探すのが大変でした。

子育てと舞台芸術活動を両方する上で、どんな環境が理想的だと思われますか

稽古時間を日中5時間くらいにしてほしい。
稽古外の打ち合わせもその直後にしてもらえれば、保育園に預けている時間内にその日の仕事にすべて参加することができる。
小屋入り中は終日拘束なので、もっとフレキシブルに預けられる一時保育所が増えてほしいです。

舞台芸術活動をしている方で、これから子どもを持ちたいと考えている方に対して、何かメッセージはありますか

私は子どもを持ったことで現場から離れてしまいましたが、現状に後悔はないです。
2人の子どもを持てて幸せだな、ありがたいなと日々感じています。
ただ、仕事か子どもか、の二択にならない世界であってほしいと思っています。
子どもを持ちながら舞台の仕事を続けていくことが、もっと当たり前になるよう、そういう方が増えてほしいと願っています。
子どもを持つかどうか迷った時に、一緒に答えが考えられる場が増えていくよう、自分自身も発信を続けていきたいと思います。

協力ありがとうございました!

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