4日後に初産
マル 劇場職員
私の妊娠について書きます。
1月に妊娠が分かり、2月にエコーで赤ちゃんの姿が見えました。
まだお豆サイズの小さな命が、私の体だけを頼りに心臓を動かしていると思うと、今までに感じたことのないような責任感で背筋が伸びたことを覚えています。
産院の看護師さんに「お母さん」と初めて呼ばれたとき、その言葉と当時の自分とに距離を感じつつも道すじが目の前にバーっと現れたように感じました。
これから私はお母さんになっていくんだと、嬉しさと不安が強烈に押し寄せました。
妊娠前期のつわりはひどい状態ではありませんでしたが、寝起きと夕方に倦怠感と吐き気がつよく、この状態で仕事を続けるのは命を削ることだと感じました。
つわりの終わりが見えなく途方にくれたりもしました(でもちゃんと終わりが来ました)。
幸い比較的休みやすい環境・休みやすい期間だったため本当に有難いと感じながら無理をせずに働くことができました。妊婦検診は1ヶ月置きだったのでちゃんとお腹で赤ちゃんが生きているのか心配で、心臓の鼓動をイヤホンで聴ける機械をレンタルして生存確認するたびに安心していました。
妊娠中期は比較的元気で、ときどき身体的なトラブルがあるものの周りの人に支えていただき、妊娠前とあまり変わらない生活を続けることができました。
胎動を感じたときは「生きててえらい!」と、ほんとうに嬉しくて愛おしくて、お腹の中で小鳥を守っているようでした。
妊娠後期の序盤は体力も問題なく、自由に動けるうちにと観劇にショッピングに飛び回りました。
しかし34週を超えたころからガクッと倦怠感が増し、ほぼ家と近所のスーパーを行き来して過ごしていました。
小鳥のようだった胎動はハイテンションな子犬のようにぐりんぐりんと生命力にあふれた動きに変わっていき、私のいろいろな内臓を圧迫しました。
寝ようと横になるとたちまち元気に動き回り困りました。
現在、妊娠38週です。計画無痛分娩で4日後に出産します(私の産院は痛みを3割残す方針のようなので無痛より和痛ですね)。
1週間後には赤ちゃんを抱っこしたりオムツを替えたりしていると思うと不思議な気持ちです。
38週目の胎児はもう十分に新生児の大きさでお腹で動き回っていて、外に出る準備は万端といった元気さです。
もう私は自分を「お母さん」だと思っています。
出産は予定外のこともあるので正直恐いですが、1日2日で終わることなので、その後の長い長い育児のことを思いながらあと4日を過ごそうと思います。
こんな私も赤ちゃんのときに産まれてこれたように、この世界にいる人数分の出産があったわけなので、きっと大丈夫、なんだかんだで産んでよかったと思えるお産をするだろうと今は強く思っています。
