今、私がなにがしんどいのかの話
照明家 小林愛子
コラム

今、私がなにがしんどいかの話

照明家 小林愛子

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ネガティブなことばかり書いてしまったが
単純に照明の仕事と、舞台の現場が好きで。
みんなで作る創作現場が、
自分の頭の中で描いた光のデザインが現実に立ち上がることが、とても楽しい。
自分が今持っている技術でその現場に貢献できることに幸せを感じる。
そもそも私に名指しで照明を任せてもらえること自体が本当に嬉しい。

そのためにもっと自分の感性を磨きたいし、
新しい技術や新しい機材についての知識を増やしたい。
卓のことをもっと勉強したいし
新たなことを実験してみたい
そういうことにもっと自分の時間を使えたらとはどうしても思ってしまう。

かといって

子どもが産まれたことを後悔していることはほんのかけらほどもないし、
本当にそうすべきと自分で判断したら、すべての仕事はきっと躊躇なく放り投げるのだろうと思う。

それくらい大切な
自分のすべてを差し出しても構わないと思える存在なのだ。娘という人は。

自分の中に大きな大きな矛盾を抱えたまま生きている。

選択肢があるから悩みが深いというのは贅沢なことだというのは理解しつつ、
それゆえに冒頭の、
誰かに無理だと言ってほしいという、つぶやきにつながっている。

でもそうはいったって、この悩みは誰かに助けてもらえるものではないし、
私が決めるしかないってわかっている。
なんなら、「もう無理だよ、諦めなよ」って言われる世界だったら私、がぜん反発してんだろうなっては思うので
えいやって決めるしかない。決めながらここまでやってきたし。

今日もなにが正しいのかわからないなって思いながら、
間違えたなーごめんって思いながら、
意外と何とかなったじゃんって思いながら、
現場出れるの嬉しいって思いながら、
家族で過ごせることを幸せって思いながら。

そして今この状況下で仕事を続けていられるのは
この私の働き方の希望を受け入れている在籍している会社と現場と
手伝ってくれているみなさんのおかげなのは言うまでもなくて

もう少し時間がたって、もう少し娘の手が私から離れるようになって
私がもう少し長い時間仕事ができるようになっていたら、
そしてその時に、もし数年後の誰かが私と同じ状況になっていたら、
私がしてもらってうれしかったことや、こうだったらよかったなと思うことをやってあげられたらいいな。

私がひとりで乗り越えなきゃいけないと思っていることも、
誰かと話す、ということで少し楽になるってことを、今の私は実感をもって知っている。
「こえのわ」がその一助にどうかなりますように。

今はしんどい舞台と子育ての両立が
もう少し楽になる未来にしたいと、心から思っている。



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