「劇場に子どもを連れて行った話」
俳優・クリエーターのマネージャー 片桐梨恵
マネージャーが子どもを産むのは難関だと思っていた。
人のサポートをしなければいけない立場の私が、人のサポートなしでは生活できない状況になった。いや、元々色んな方に支えて頂いて成り立っているのだが
「妊娠しました」
と仲間に報告するのを迷った自分がいた。
しかし、妊娠した事が申し訳ないと少しでも思った自分が情けなく、お腹の中の命にも失礼だと思った。
今一緒に活動してくれているメンバーは、私の人生をも考えて一緒に喜んでくれた。
この人たちの事は、一生かけて幸せにする!と心に決めている。
妊娠中、出産、と色んな場面で色んな事があるが、今回は「劇場に子どもを連れて行った話」を書こうと思う。
舞台本番があったのは息子が9ヶ月の頃。ハイハイで動き回り、つかまり立ちをしたくてしょうがないワンパクの兆しが見えてきた頃。まだ保育園に行けていないので、出産後舞台観劇もなかなか難しく、担当俳優が舞台に出演するとなっても劇場には行く事はできないなと諦めていた。しかも、今回の担当俳優というのは主人でもあるので、稽古期間からどのようなスケジューリングで動こうかと頭を悩ませていた。
その頃、家でできるワークスタイルに切り替えていたとはいえ、産後も変わらず動きまくっており(のちに身体にガタがきます。皆さま、必ずゆっくり休んでくださいね) 現場にも行っていた。
何故それができたのかというと、そう、家族のサポートだ。私が出なければいけない時は、母が来てくれて息子を見てくれていた。母は保育園で働いており、長年0歳児を担当しているので安心して任せられる存在。息子もバーバが大好き。日中、2人の時は私が仕事をしてしまう為、1人遊びをしてもらうのだが、バーバがくると存分に遊んでもらえるので、テンション大爆発で喜んでいる。
今回も浅草で舞台本番がある事は事前に知らせていて、もしかしたら初日はお願いしたいかもと伝えていた。
ここでもう1人登場するのが、姉。
七福神の何番目かにいる神様かな、と思うくらい幼少期から優しい姉は息子を溺愛してくれている。予防接種の日は必ず病院まで一緒に行ってくれて、見守ってくれる(これは特に頼んではいない)。
そんな姉から「本番期間、私とバーバは浅草にホテル取ったよー!」と連絡がきた。
なんと!仕事も休んで息子を見てくれようとしているらしい。
舞台本番は8月の猛暑の中だったので「ホテルがあれば、休憩もできるし!」と相変わらず優しい。
劇場まで2時間かかる場所に住んでいるので、毎日息子を連れて電車移動か、、、と悩み、であれば!と私たちもホテルを取る事にした。
ホテルと劇場を行き来する日々。
仕事でお世話になっている方々など来てくださったお客さまにご挨拶をしたいので、開演前と後に劇場に行く。受付で子どもを抱えて立っていたら情報量が多すぎるかと思い(笑) 母と姉が観劇してくれる回は開演ギリギリで子どもをタッチ。
開演中は浅草の駅にある赤ちゃんがハイハイできる遊び場をフル活用した。
0歳児は無料。付き添いの大人は一日500円で出入り自由。海外からの観光客の方もたくさんいらっしゃるのでグローバルな環境で息子も刺激的だったよう。お気に入りの場所になった(★脚注)。各劇場の近くにこういう遊び場があると本当に助かるなと思った。
今回のカンパニーの皆さまも本当に暖かくて、とても可愛がってくれたので、劇場にも連れていきやすい環境だった。
「東京に住んでいると、浅草観光なんてゆっくりした事ない!」と母と姉は楽しんで公演期間中過ごしてくれた。
もちろん、金額面では痛手だが(笑)結果、普段なかなか行けていなかった取引先に本番の合間に行く事ができたりと仕事面でも有意義に使えた。
仕事をしながら子育てをするという事は、色んな事を諦める選択に迫られる。
周りのサポートがあってこそだが、子どもと一緒に楽しんじゃうスタイルで、今後も乗り切っていこうと思う。
★キッズユースランド東京浅草店
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