子育て座談会~第一回スタッフ編~(後編)
子供を持ちながら仕事を続けるための悩み
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子育て座談会~第一回スタッフ編~(後編)

子供を持ちながら仕事を続けるための悩み

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どこまでやるべきなんだろう?/子供の意思を尊重することと周りの目

松本小学校上がるくらいになると、子供も自我がはっきりしてくるから、嫌なものは嫌だし、やらないってなったらもうやらないし、こっちもそれを尊重するために強制もできないですよね。
前聞いた話だと、知り合いの舞台監督さんが、だんだん子供が現場に来てくれなくなるって言っていて、前は美術の工房とかにも来て、よしお絵描きだ!って手伝わせてたりもしたけど、もう全く来ないね…って。
確かに、うちも上の子が5歳で、本当にはっきりと嫌なものは嫌!なので、どこまで親に付き合わせていいんだろう、みたいなのは、すごい考えてます。

原田うちもこの間、夜の打合せに子供連れてったら、制作さんや出演者さんがずっと見ててくれて、ありがたいなって。
それで、調子乗って次通し稽古行こうって思ったら、「あの、通しはみんな緊張してるし、最初で最後の通しになるかもしれないから、ちょっと子供はやめてください」って言われて。
ま、それはそうだなって思う自分もいて、でも子供と一緒に行った方がいいって思う自分と、なんか、それぞれの常識が両方自分の中にあるなっていう。
稽古場に不確定要素があることで不安だと思う人もいるっていうことを、一瞬忘れかけてた自分もあって、がっかりはしなかったんだけど、ちょっと不思議な気持ちになりました。

どっちの自分もいて、片方の自分から見ると、もう片方がちょっと非常識なのかなって思うところもあって…だから、ああ、あの人は非常識だなって風に感じる人もいるかもしれないなと。
渦中にいるからこそ、配慮してお願いするようにしないといけないなと思ったことがありました。

松本ちょっと話違うかもしれないんですけど、私、親になったときに、「自分は正しい親でいなきゃいけない」って気持ちがすごい強くなっちゃって。
周りからどう思われてるんだろうとか、迷惑かけちゃいけないとか、親として子供を正しく導かなきゃいけないし、周りに対しても正しくなければいけないって思うようになっちゃって、それが結構きつい…もっと気楽に考えればいいのに、すごく周りの目を気にするようになっちゃったんですね。
ただ、現場にいるときと、現場にいない日常生活とでは、そう感じる場所が違うんです。
例えば、出産後に演出助手の仕事をしたときは、早く帰るのはもう「すみませんすみません」だったし、現場に連れてっても「絶対に静かにして、この部屋から出ないで」って…それは周りからよく思われたい、正しいって思われたいって気持ちから来てるんだろうなって。子供からも周りからもそう思われていたいけど、正しいって何?みたいな。
モラルとか、そういう曖昧な、分からないものに対して、怖いって思うことがすごく多くなったかな…。

ライト子育てって、「こうするのが正しい」みたいなのがめっちゃ溢れてますよね。
なんとなく外側から入ってくる、こう…「8時半には寝よう」みたいな。

松本ありますよね~…。「電車の中ではベビーカーを畳もう」とかね。
どこまでやるべきなんだろう?みたいな。

菊川電車の中でベビーカー畳んでも、邪魔なんです(笑)。畳んでる様がいちばん邪魔かもですね(笑)。

原田バス乗れない、乗りにくいとかもありますよね。

菊川バスは双子、ベビーカーでは乗れないですね。

松本普通のベビーカーでも狭いですよね。結構、今のバス、コンパクトになってません?入口も通路も。

原田交通機関、大変ですよね。

ライトなんか変な話、そういう、こうしなきゃいけないみたいな情報が昔よりもいっぱい、インターネットの世界から手に入りやすくて、ちゃんとしないと誰かに怒られるんじゃないかって思いながら子育てをしてる気持ちはあります。
実はうちの子そんなに早く寝てません、とか、ごはんちゃんと作れてません、みたいなのを、ひた隠しにしてみる自分は確かにいました。

原田私の妹が、子供生まれてすぐ上海に赴任して、2歳ぐらいで帰ってきたのかな。
中国ってもう本当にいろんな人がいて、おむつさえも履かせないでお尻丸出しで子供運んでるとか、人の目をあんまり気にしてない方が多いから、この子上着てないけどいいのかな、とか、いちばんそういうことを気にする年齢のときに中国にいて、すごく心が安らかだったって言っていて。
日本に帰ってきたら、なんかこう、監視されてる感じがすごくするって言われて、特に東京はそうなのかなと…まあ、地方でも集団によってはそうなのかもしれないけど。
だからなんだろう、泣いてるときに「ああ、泣いてるな」って温かい目で自分は見てるんだけど、向こうからしたら「うるせえって思われてる?」って感じるかもなと思ってあんまり見ないようにしたりとか、見るとしてもこう、微笑む、かつ、「大変だよね」みたいな気持ちで見るみたいな。
心の余裕があるときはそういう風にしないと、どんどん追いつめられちゃう場所に住んでるんじゃないかなって、妹の話を聞いて考えたのを今思い出しました。
お尻丸出しでもいいんじゃないかなっていうのはちょっと、アレだけど(笑)。

松本大らかですね(笑)。

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