子育て座談会~俳優編①~(後編)
子育てを続けながら俳優を続けることについて
座談会

子育て座談会~俳優編①~(後編)

子育てを続けながら俳優を続けることについて

目次

企画について

舞台芸術の仕事と子育てについて、日々抱えている困りごとや不安、嬉しいこと、チャレンジしていることなど、気の向くままに参加者同士で話し合うための会です。今回は俳優のみなさんに集まっていただきました。

『子どもをおんぶして通し稽古』『育児中はセリフが全然入らない』『どんなに大変でも舞台に立ち続けるべき』などなど、俳優業ならではの実体験をお話ししていただきました。どうぞ最後までお付き合いください。

参加者

参加者
おもちさん
俳優。お子さんは2歳9か月の女の子と8か月の男の子。
参加者
カブトムシさん
俳優。お子さんは3歳の男の子。
参加者
あっこさん
俳優。お子さんは3歳。また母親の介護も担っている。
参加者
ライトさん
照明家。お子さんは小学校1年生の女の子。
参加者
松本(プラットフォームデザインlab)
アルバイト。お子さんは6歳男の子、2歳女の子。
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子育て座談会~俳優編①~ 前半はこちら

5.小1の壁にもいろいろある

カブトムシ ちょっとお話、聞きたくって、ライトさん。あの、小1の壁の話を。

ライト 小1の壁。めちゃくちゃ高かったです。今も高いです。何が高いかって、ま、うちの場合ですけど、小学校にね、行きたがらなくなっちゃったんです。なぜかと言うと、小学校は勉強しなきゃいけないから大変なんですって。
保育園って、大体遊んでるし、すごい楽しかったから、やっぱ保育園の方が良かったみたいな感じになっちゃって。子供が保育園と小学校のその差にぶつかったのをサポートしな
きゃいけない、って壁だった気がします。

カブトムシ う~ん。

ライト 今自分で言ってて思ったけど、子供が壁にぶつかったってことなのかもなあ。うち、小学校に上がるタイミングで、ここしかないと思って引っ越しもしちゃったので、友達もいない状態で小1になったから、あぁ、行かせるのが大変だな…っていう。

カブトムシ そっかぁ…。

ライト あとは、学童にも入っていて、6時にお迎えに行くっていう、そこの時間がちょっと変わったとか、そういうことはあったりするんですけど。

まあ、うちは「明日行きたくないなぁ~…」とか「今日は荷物が多いから行けない~…」とか、そういう感じです。でも、小1の壁って、みんな違うんだなって思ってます。

カブトムシ そこのケアというか。

ライト そう、子供をひたすら励ます時間ばっかりになってます。ひらがな勉強してきて、鏡文字を全部先生に直されてめちゃくちゃへこんで、もうやだ!できない!みたいなのを、毎日励まし続けてます。……励まし疲れてます(笑)。

カブトムシ それで仕事に影響とかってありました? 小学生になってリズムが変わるとか…。

ライト 変わりました。めちゃくちゃ変わった。

実は、新しい環境に慣れるのが苦手な子だなって思ってたので、4月から6月は自分がメインのプラン仕事はほとんど入れなかったんですよ。無理だなって思って。6年間で今年は0歳の時に次いでスケジュールゆっくりにしてます。去年よりも仕事は全然減らしました。自信なかったので。

松本 今も娘ちゃんはまだ壁ですか?

ライト まだまだです。小学校に上がったら、みんなひとりでランドセル背負って行く気がするじゃないですか? うちはランドセル背負うと「あ~、重~い、後ろ倒れちゃう~」ってわざとするくらい行きたくない(笑)。ので、今日も自転車で送ってきました。

でも、これはみんなに伝えたいんですけど、1年生だけじゃなくて2年生とか3年生でも親御さんと来る子ってわりといて、あ、今ってそうなんだ、自分たちの頃とは全然違うなって。

最近初めて、家出てから「今日は大丈夫」って、突然ひとりでピュピューンって行って、夫と涙した日があったんです。次の日あっさり「今日無理」ってなって自転車で行ったんですけど(笑)。

ちょっとずつ、半分ついて行ったら後はひとりで行く、とか、そういうのを1歩進んで2歩下がる、いや、3歩進んで2歩下がったり? しながら、まあまあやってます。

松本 夏休みはどうするの?

ライト 夏休みは毎日学童に行きます。基本的には。うちの学童わりと楽しいらしくって、大丈夫そう。うちの子、保育園行ってたから、つい最近まで夏休みって存在知らなかったんですね。「7月半ばから8月の終わりまで、学校行かないんだよ」「その期間全部学童に行くんだよ」って言ったら、「え!すごく嬉しい!」「超最高じゃん!!」って言ってました(笑)。

松本 うちも、今上の子が年長なので、それこそママたちが小1の壁に戦々恐々としてて。

前よりも母たちの繋がりが強くなって、「学童はどこ行かせる?」「それだと条件的に放課後保育だね」とか、集まってはそういう情報交換、みたいな。

あと、小学校上がるまでに、雑巾を絞れるようになりましょうとか、和式トイレ使ってみましょうとか、そういうことが言われ始めてきて…。

ライト 誰から言われるんですか? それ。

松本 保育園だよりみたいなのに書いてあったり、あと、うちは通信教育やってるんですけど、そっちでも、小学校に行くまでにこれやれるようになろうねっていうのがあって…おたまでお味噌汁をすくう、とか、そういうこと?

ライト あ、給食当番あるから。

松本 そうそう、そういうのなのかな。なんかあれもやらなきゃ、これもやらなきゃみたいな、すごいこの1年、小1に向けてドキドキしちゃう。うちの子はどうなるのかな…って。保育園よりも小学校低学年の方が大変だみたいなのをやっぱり話で聞くから、うーん、落ち着かない…って思います。

ライト 本当にそれは…でも、それで言ったら、小学生のための準備は私、全然しなかったです。ひらがなも、全部読めはするけど書きは鏡文字出ちゃうくらいだったし、和式トイレ未だに使えないと思います。今、和式トイレ使う場所も無いし、学校以外でどこで練習するんだろうって思ってるうちに……でも、山小屋とか行ったら困るから、いつか練習しようとは。

あと、ちょっとそういう話になったから言うんですけど、男の子のことよく分かんなくて。大変じゃないですか? トイレ事情。

松本 うちは保育園で立ちトイレの使い方の練習をしてくれて助かりました。それとは別に困ってるのが、外出したときに夫がいない場合、息子を1人で男性トイレに行かせることになるので、自分がついて行けないのですごく心配で。汚いところ触ってないかな、こぼしてないかな、とか。うちの子結構身体が大きいから女子トイレにはもう連れて行けなくて、そこで男女差のハードルを感じます。女の子だったら一緒に行って確認できるけど。

ライト そっか。それ考えたことなかった。

松本 小さいうちは全然、一緒に女子トイレ行けると思うけど、ちょっと大きくなってくると、そういう問題も出てくるかなって。そして、それに関しては何も解決できないな~、みたいな。

カブトムシ あと、お風呂?

松本 お風呂もいつまで一緒に入ろうかなとかは考えます。そろそろお父さんに任せたいんだけど、今はお父さんが帰ってくるのが遅いから…そろそろ、もうひとりで頑張ってねっていう感じかな。 だんだん性教育的なこともね。始まってくる。考え方が。

ライト え、難しい。難しいよー。難しすぎるぅ…。

おもち めっちゃ分かります。私は女の子で、女の子として育てられたんで、年頃になったときに、なんて言うか、危険なタイミングの対処の仕方とか、身をもって分かることがいっぱいあるけど、男の子は、男の人生を通ってきてないので、どういうときに危ないとか、あるいは男ならではのこういうの嫌だった、とかが、私はきっと分かってあげられないから、どうしてあげればいいんだろうみたいなのをやっぱりちょいちょい思いますね。

自分の目の届かないところで…じゃないですけど、どうしても分かってあげられないことがあるんだろうなと思うと、葛藤があります。

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